社長ブログ

歴史から学ぶもう一つの意味

  • 2018.10.31

同業の経営者の先輩から、一冊の本を薦められた。

本のタイトルは、「信長はなぜ葬られたのか 世界史の中の本能寺の変(安部龍太郎著)」。

そもそも本能寺の変と世界史に関わりがあるのか。造詣が深いレベルではないが、同世代の人に比べれば歴史が好きな方であり、
興味のそそるタイトルから、間髪を入れずにAmazonで注文した。

内容の詳細はともかく、示唆に富んだ興味深い内容に驚嘆した。
朝廷や南蛮貿易で潤っていた堺の商人、キリシタン大名や秀吉まで黒だとは…。
まさかスペインによるポルトガル併合が、極東の一島国の行く末に大きな影響を与えていたなんて、知る由もなかった。
本を読むに時間がかかる自分も、この本を読破するのに費やしたのは1時間半程。のめり込んでいった。

常識や思考というのは、過去の自らの体験や受けた教育、置かれている環境・状況等々の上に形成される。物事の善し悪し、真か偽かは、形成された常識・思考によって判断される。
そして年齢を重ねれば重ねる程、その常識や思考に固執するのが人間。
そしてそれが覆(くつがえ)るような場面に出会ったとき、世界が瞬間的にパッと開くような衝撃を覚える。
このような体験の積み重ねが、視野の広さや人間的な成長に繋がるのであろうか。
いずれにしても、今回このような体験のきっかけとなった、本を薦めてくれた先輩に感謝だ。

今年は明治維新150周年ということで、NHK大河ドラマの「西郷どん」を始め、時代の変化の速い、そして厳しい現代を乗り切るためのヒントをこの時代に求める趣(おもむき)がある。
そして、坂本龍馬を筆頭とした幕末の志士は、260年以上続いた幕藩体制を破壊し、新たな時代を創った英雄で真のリーダーであると、我々の常識はそう理解している。

しかしこの明治維新も、実は大英帝国(イギリス)の東アジア戦略の一環であるという見方がある。
でなければ一介の脱藩浪士である龍馬が、大量の武器を扱う日本で初めての商社を作り、犬と猿の関係である薩長をくっつけ、大政奉還を時の将軍徳川慶喜に認めさせることなどできようはずはない。
イギリス商人トーマス・グラバーは、あくまでもイギリスが送り込んだ武器商人で、龍馬を始め幕末志士を国内に革命を引き起こす傭兵集団として意のままに扱い、自らの手を汚さず、そして自らは血を流さずに日本の植民地化を図ったという陰謀説だ。

本能寺の変も明治維新も真相は定かではないが、我々は少なくとも江戸時代や明治以降の歴史観の上に立って歴史を教えられてきたわけであり、歴史の真実が葬り去られ、その時々の都合のよい史実と解釈が伝承されてきた、ということはあり得る。

今までの常識、これからの非常識。
時代が変わるということもそういうことなのだろう。
何を信じていけばいいのか、考えさせられることもある。
言えることは、変えてはいけない信念を自らが見極め、それをとことん追求していくことが、時代の荒波にも対応できる拠り所となる。

今年も残すところ2ヵ月、平成は残すところ半年。
時代の転換期に歴史から学ぶ意味。創業96年目を迎え、社史からも学ばねばなるまい。
その際は今の常識や観念に縛られないよう様々な側面からひも解こう。
今回の本能寺の変や明治維新から学んだように。