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社長ブログ

2020.09.25

答えのない時代

9月も下旬に差し掛かり、短かった夏も残暑を経て秋の気候となった。昨年の秋は台風15号が千葉県や神奈川県、19号が長野県をはじめとした東日本一帯を襲い、多くの被害をもたらした。台風は地震と違い、一定程度の備えの時間が与えられる。風水害への準備を怠らず、警報や注意報の発令時には配送業務を止めるなど、被害を最小化しなければならない。

自然災害の恐れがある時(もしくは被害を受けつつある時)、本社からの注意喚起を促す通達はもとより、現場である各拠点長(営業所長)から現地の様子(主に社員の安否、石油出荷基地情報や道路状況)が、社内のチャットシステムを活用してタイムリーに伝えられる。当社の創業と自然災害との関わり、そしてその後の度重なる自然災害を乗り越えてきた経験が、今の社員一人一人の災害に対する意識に反映されている。日常業務の後回しにしがちな災害への意識付け、BCP(事業継続計画)の見直しは、継続して定期的に行わなければならない。

ところで先日、ある上場企業の元経営者の方から示唆に富んだ教えを得る機会があった。

「パンデミック(世界的感染症の流行)・世界大戦・産業革命、この3つの内一つでも起こると世界が変わる」。

世界が変わるとは、その世界に住む人の価値観が変わる、社会のあり様が変わる、ということだ。

今、この3つの内、2つが同時に起きている。新型コロナウィルス、そして第4次産業革命(デジタル革命)。

世界が変わるということは、言い換えれば、今までの常識が通用しない、前例が通用しない、今まで正解であったことが正解ではなくなるということでもある。

さらに言い換えれば、「答えがない時代」を迎えたということであろう。

この「答えがない時代」に我々はどうすべきか。

自らが仮の答えを創造・想像し、その答えを導く問題を見つけること、つまりは仮説を立てて、問題を発見する力が求められるという。その答えが違うと思えば、また新たに仮説を立て、問題を発見し、実施・検証を行う。その繰り返しの中で、この不確実な時代を生き抜くための答えの本質に近づいていく。実は、世界を一変させた自動車の登場、スマホの登場も、このような過程を経て、今では我々の身近なものとなったのだ。

これらは仮説思考、問題発見能力と一般的に言われるが、一人一人の「考える力」が一層問われる時代、これが「答えのない時代」に必要であるということだ。子供のころから、正解がある問題を与えられ、テストで100点満点を目標としてきた我々は、ともすると受け身体質なのかもしれない。問題発見には自らが能動的に考えることが求められる。

「YUKI ACADEMY」という人財開発事業(社内勉強会)の場を立ち上げた。次世代の経営幹部候補を対象とした「考える力」を養う場である。今までの社内研修会と違い、講師と受講生の知識差を埋めるようなものではなく、受講生の持つ潜在的な能力を刺激することで「考える力」を引き出していく、「気づき」を与えていくやり方。これからの「答えのない時代」を生きる会社には、自らが能動的に考える人財が必要、という答え(仮説)を立てた。そしてこの答えを導く問題こそが、この「YUKI ACADEMY」という方程式だ。

この9月は、Zoomシステムを活用した運輸事業部新人教育、新卒会社説明会、そして「YUKI ACADEMY」。初めて尽くしの1か月となった。何が正解かはわからないが、挑戦し続けることで、本当に解くべき問題に出会えると信じている。

「YUKI ACADEMY」。地方組は現地から、本社(もしくは周辺拠点組)は本社会議室から、出席者全員がPCを持ち込んだ。

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