社長ブログ

見えない戦い

  • 2020.5.1

緊急事態宣言が続き、外出自粛が続く。

4月は新年度スタート月。営業所に赴いて会社の方針を伝え、現場への鼓舞を図る時でもある。業界の動き、活動も少ない時期でもあり、当初は複数の営業所訪問を予定していたが、この状況から断念する他ない。感染症の猛威は留まることを知らず、近く緊急事態宣言の1ヵ月延長が発出される見込みだ。

移動の制限、経済活動の制限は、必然的に我々の主力サービスである石油輸送に直結する。ガソリン消費は低迷し、また企業間物流(B to B)を担う大型トラックの稼働低下は軽油消費の低迷に繋がる。当社でも取り組む鋼材輸送がまさにそれ。賃金全体に占める変動部分(時間外手当、配送量・距離に応じての手当)のウエイトが高い乗務員は、不安も当然大きくなる。政府支援策の一つである雇用調整助成金の活用も本格的な検討段階とした。

お客様(荷主)も厳しい状況だ。感染症とあいまって、世界的な石油ニーズの急減速。石油元売り大手も厳しい決算状況を発表した。そして原油先物取引では史上初のマイナス値。貯蔵タンクが足りなくなってしまい、お金を払ってでも市場に流通させたい思惑がこうした怪現象を招いた。

物流や石油に携わる当社ではあるが、その影響がさら甚大で、大打撃を受けた業界・業種は数知れない。百貨店などの小売業、観光業などのサービス業、そして居酒屋などの外食産業。同じ運輸業界では、外出制限の影響や観光客の激減で、タクシー・バス業界は我々以上の大打撃。規模の違う航空業界はある意味さらに深刻だ。

同じトラック業で言えば、扱う荷物によって度合いが異なる。スーパーに食糧品を運ぶトラックはフル回転。巣ごもり消費の代表格であるネット通販や出前などの宅配業者は人手が足りない。しかし大半は仕事が極度に減っている。学校給食を運ぶ運送会社、イベントの器材等を運ぶ運送会社、外食用(業務用)の食品や飲料を運ぶ運送会社。工場が生産停止していれば、そこに部品を搬入する運送会社も仕事はない。そしてトラックが動かなければ、燃料も消費されない。経済は繋がっている。

自然災害を創業のきっかけとし、近年では東日本大震災でも被災した当社。20年ほど前、倉庫事業部でほぼ100%のお客様の撤退で窮地に立ったこともあった。これらの危機も、事業や拠点の分散により経営リスクを低減させていたことで、困難を乗り越えてきた。「捨てる神あれば拾う神あり」とは先代社長がよく口にしていたが、危機を迎えてから神に頼むのでは遅い。

あらためてそのことを思い知らされたが、今回も強敵だ。なんといっても敵は目に見えない。終わりも見えない。

部分的ではあるがテレワークやテレビ会議の有効性が確認できたことは、来年に延期になったTOKYO2020には生きよう。またデスクワークが増えた結果、今まで手を付けられなかったものにも着手できたこともある。

5月も続見えない戦いの中、コロナレガシーをしっかり見つけねばならない1ヶ月間の延長戦に入った。