「歴史は繰り返す」という言葉がある。我々は歴史から学べと。
トランプ関税に端を発した株価暴落、そしてここ数年間の世界規模の出来事を振り返ると、約100年前にも同じようなことが起きていた。創業102年目の当社。その頃は世界がどのような問題を抱えていたのか。「過去から学び、未来から逆算し、今を生きる」という当社理念に従い、その時代にさかのぼった。
・世界的パンデミック
〈100年前〉 スペイン風邪(インフルエンザの一種)、第一次大戦中アメリカから欧州に持ち込まれ流行(1910年代後半)
〈現在〉 新型コロナウィルス(2020年~2023年、2024年には一応終息)
・大震災
〈100年前〉 関東大震災(1923年)
〈現在〉 能登半島地震 (2024年、海外では2025年にミャンマーで大規模地震)
・株価暴落
〈100年前〉 世界大恐慌(1929年)
〈現在〉 トランプ関税を主因とする株価暴落
・ブロック経済
〈100年前〉 世界恐慌からの経済回復を目的に、植民地を有する大国(アメリカ、イギリス、フランスを中心にブロック経済体制に移行(1930年代初頭)
〈現在〉 米国による世界的な相互関税により、関税の応酬合戦、米中関税戦争など
世界恐慌を機に、自由貿易体制からブロック経済体制に移行した100年前に対し、現在のはト
ランプ関税による自由貿易体制崩壊への危惧によって株価暴落が引き起こされたということ
で、この部分は順序が逆転する。
100年前のブロック経済移行は、植民地を有した大国はこれが功を奏し、経済回復を成し遂げ
た一方、植民地を(ほとんど)有しないドイツ、イタリア、そして日本は経済圏獲得のための外交
政策(軍事侵攻)が、結果的に第二次世界大戦の引き金の一つとなった。
現在、世界を見渡すと局地的に戦争が起きている。ロシアvsウクライナ、イスラエルvsハマス、
そしてつい最近、インドとパキスタンが再び戦火を交えたというニュースが飛び込んできた。
これらに比べると小規模ながら、民族紛争は今でもアフリカや東南アジアで続いている。戦争
と無縁だと多くの人が思っている日本国も、ちょうど80年前の今、どこかで敗戦を知りつつも
勝利を信じて無謀な戦争の真っ只中であった。
「歴史は繰り返す」となれば、日本も他人事ではない。そうならないことを祈りつつも、なぜ各
地で戦争が起きるのか、ただ平和を祈るだけでなく、その歴史的背景に関心を持つことは、悪
しき歴史を繰り返さないための一歩となろう。「事故が起きないでくれ!」と祈っているだけで
はダメ、と同じように。
今年(令和7年)は昭和100年、そして戦後80年の節目。歴史を学ぶ絶好の年である。